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緑茶をよく飲むと胃がんリスクは下がる? 研究をまとめて確認

最終更新日: 2026-09-16

CEvidence Level | 独立した人間研究 6件 | SR・メタ分析 4件 | 最終検索日 2026-09-16

  • 緑茶を多く摂る人で胃がんリスクが低いという報告はありますが、女性、遠位胃がん、特定のカテキン濃度など、限定された条件でみられる結果が中心です。
  • 全文を確認できた大規模なJACC Studyの2解析では、男女とも緑茶摂取量と胃がん罹患・死亡との間に統計的に有意な関連は確認されませんでした。
  • 現在の材料だけから「緑茶を飲めば胃がんを予防できる」「1日○杯飲むべき」と結論づけることはできません。

治療中・治療後・経過観察中の方へ
この記事は研究の紹介であり、個別の治療方針の助言ではありません。本記事は診断・治療の代わりとなるものではありません。現在治療中・経過観察中の病気がある方は、食事や生活習慣の変更を検討する前に、必ず主治医にご相談ください。自己判断で治療を中断・変更しないでください。

先に結論

緑茶をよく飲む人ほど胃がんリスクが低かったという観察研究はあります。

ただし、その結果はすべての研究で一致しているわけではありません。

日本のJPHC Studyでは、女性の遠位胃がんに限って、緑茶を1日5杯以上飲む群で、1日1杯未満の群より低いリスクとの関連が報告されました。RRは0.51、95%CIは0.30-0.86でした。【STUDY-002】

一方、全文を確認できたJACC Studyでは、胃がん死亡を調べた解析でも、胃がん罹患を調べた解析でも、男女とも緑茶摂取量との統計的に有意な関連は確認されませんでした。【STUDY-003】【STUDY-004】

したがって、今回の13件の研究資料からは、

「緑茶を飲めば胃がんを防げる」とは言えません。

一部の研究ではリスク低下との関連が報告されていますが、性別、胃がんの部位、研究デザイン、緑茶への曝露を測る方法によって結果が異なっています。

さらに、今回精査した13件のうち、全文を確認できたのは3件だけです。残りは抄録のみで、STUDY-009は抄録自体もありません。

そのため、現時点のEvidence LevelはCです。

なぜこの疑問が気になるのか

今回集めた研究では、同じ「緑茶と胃がん」というテーマでも、結果が一方向にはそろっていません。

たとえば、

  • 女性ではリスク低下との関連がみられた研究
  • 男性では関連がなかった研究
  • 男女とも関連がなかった研究
  • 血液や尿中のカテキン濃度が高い人でリスクが低かった研究
  • 一部の指標では逆にリスク上昇方向だった研究

が混在しています。

そのため、「緑茶は体によさそうだから、胃がんも予防するだろう」と単純にまとめることはできません。

重要なのは、どの研究で、誰を対象に、何を測り、どのような結果が出たのかを分けて見ることです。

この記事ではどう調べた?

今回のResearch Cardでは、PubMedを中心に、

  • システマティックレビュー
  • メタ解析
  • コホート研究・前向き研究

を検索しています。

検索期間に制限は設けず、2026-09-16に検索を実施しました。

検索結果を統合して重複を除いた32件のPMIDをスクリーニングし、

  • Include:13件
  • Exclude:19件
  • Uncertain:0件

となっています。

Includeされた13件は、

  • 独立研究:6件
  • 二次解析:7件

です。

ただし、全文まで確認できたのはSTUDY-003、STUDY-004、STUDY-013の3件だけです。

それ以外は抄録、または書誌情報の範囲で評価しています。

複数の研究をまとめるとどうだった?(不一致あり)

独立研究6件を見ると、緑茶と胃がんとの関連について一貫した方向性は確認できません。

宮城コホートでは、1日5杯以上の群と1日1杯未満の群を比較したRRは1.2、95%CIは0.9-1.6で、全体として明確な関連はありませんでした。【STUDY-001】

JPHC Studyでは、男性では関連がみられませんでしたが、女性の遠位胃がんでは1日5杯以上の群でRR 0.51、95%CI 0.30-0.86と、リスク低下との関連が報告されました。【STUDY-002】

一方、全文を確認できたJACC Studyの胃がん罹患解析では、最高五分位と最低五分位を比較したHRは男性1.05(95%CI 0.83-1.33)、女性0.82(95%CI 0.60-1.12)で、男女とも統計的に有意な関連はありませんでした。【STUDY-004】

同じJACC Studyの胃がん死亡をアウトカムとした別解析でも、10杯以上/日のRRは男性1.0(95%CI 0.5-2.0)、女性0.8(95%CI 0.3-2.1)で、男女とも明確な逆相関は確認されませんでした。【STUDY-003】

つまり、日本の大規模な前向き研究だけを見ても、結果は一致していません。

Evidence Map

Study 主な対象・研究 主な結果 全文
STUDY-001 宮城コホート 全体として関連なし 未確認
STUDY-002 JPHC Study 女性・遠位胃がんで低下との関連 未確認
STUDY-003 JACC Study・胃がん死亡 男女とも関連なし 確認
STUDY-004 JACC Study・胃がん罹患 男女とも関連なし 確認
STUDY-005 日本・血漿カテキン 女性ECG高値で低リスク、男性EGC高値で高リスク方向 未確認
STUDY-006 上海・尿中カテキン 尿中EGC陽性で低リスクとの関連 未確認
STUDY-007 日本6コホートプール 女性で低下、男性は関連なし 未確認
STUDY-008 日本人限定SR 女性で低下方向。STUDY-007との重複濃厚 未確認
STUDY-010 国際SR・用量反応MA 指標によって低下・関連なし・高温摂取で上昇 未確認
STUDY-011 国際MA adjustedでは低下、crudeでは有意差なし 未確認
STUDY-012 国際MA 全体では関連なし 未確認
STUDY-013 女性限定再解析 わずかに低下方向だが有意差なし 確認

※STUDY-009は抄録・効果量・95%CI・対象人数等が確認できないため、医学的な主張の根拠としては使用していません。

リスク低下との関連が報告された研究

女性の遠位胃がんでは低下した研究がある

JPHC Studyでは72,943人を対象とし、胃がん892例が確認されました。

女性の遠位胃がんに限ると、緑茶を1日5杯以上飲む群でRR 0.51、95%CI 0.30-0.86、trend p=0.01でした。【STUDY-002】

ただし、

  • 男性では関連なし
  • 上部胃がんでは男女とも関連なし

であり、この結果を「緑茶は胃がん全体を予防する」と一般化することはできません。

また、この研究は全文を確認できておらず、今回の材料では詳細な調整変数などを確認できません。

血液中のカテキン濃度を調べた研究

日本のネスト症例対照研究では、女性の血漿ECG最高群で胃がんリスク低下との関連が報告されました。

ORは0.25、95%CIは0.08-0.73、trend p=0.02でした。【STUDY-005】

しかし、この研究では男性の血漿EGC高値は逆に胃がんリスク上昇との関連が報告されています。

また、これは「何杯飲んだか」を直接比較した研究ではなく、血漿中のカテキン濃度を測った研究です。

したがって、この結果から「緑茶を何杯飲めばよいか」を導くことはできません。

尿中カテキンを測った上海の研究

上海の男性コホートを用いた研究では、尿中EGC陽性者は陰性者と比較して胃がんリスクが低いことと関連していました。

ORは0.52、95%CIは0.28-0.97でした。【STUDY-006】

この解析ではH.pylori血清陽性、喫煙、飲酒、血清カロテン値が調整されています。

ただし対象は男性のみであり、女性に同じ結果が当てはまるかはこの研究から判断できません。

全文も未確認です。

日本6コホートを統合した解析

219,080人、胃がん3,577例を含む日本6コホートのプール解析では、女性の1日5杯以上でHR 0.79、95%CI 0.65-0.96でした。【STUDY-007】

女性の遠位胃がんではHR 0.70、95%CI 0.50-0.96でした。

一方、男性では有意なリスク低下は認められず、近位胃がんでは男女とも関連がありませんでした。

さらに注意が必要なのは、この研究が既存コホートを統合した二次解析だという点です。

今回、元となった6コホートの内訳を全文で確認できておらず、STUDY-001、STUDY-002、STUDY-003などとの重複の可能性があります。

そのため、別々の独立した確証として単純に足し合わせることはできません。

関連が確認されなかった研究

今回の材料で特に重要なのは、リスク低下を示した研究だけでなく、「関連なし」とした研究も複数存在することです。

宮城コホート

26,311人を対象とした研究では、1日5杯以上と1日1杯未満を比較したRRは1.2、95%CI 0.9-1.6で、明確な関連はありませんでした。【STUDY-001】

JACC Study・胃がん死亡

72,851人を対象とした解析では、10杯以上/日で、

  • 男性:RR 1.0、95%CI 0.5-2.0
  • 女性:RR 0.8、95%CI 0.3-2.1

でした。

男女とも統計的に有意な関連は確認されませんでした。【STUDY-003】

JACC Study・胃がん罹患

63,848人、胃がん1,494例を対象とした解析でも、

  • 男性:HR 1.05、95%CI 0.83-1.33
  • 女性:HR 0.82、95%CI 0.60-1.12

で、男女とも明確な関連はありませんでした。【STUDY-004】

STUDY-003とSTUDY-004は同じJACC Studyを使った別解析なので、完全に独立した2つの集団として数えることはできません。

メタ解析でも結論は一定していない

複数研究をまとめた解析でも、結果は一方向ではありません。

STUDY-010では、コホート研究だけを統合したRRは1.05、95%CI 0.90-1.21で有意差なしでした。

一方、症例対照研究のみではOR 0.84、95%CI 0.74-0.95とリスク低下との関連が報告されています。【STUDY-010】

用量反応解析では6杯/日でRR 0.79、95%CI 0.63-0.97、25年間の摂取でRR 0.59、95%CI 0.42-0.82でした。

ただし、この論文は全文を確認できていません。

STUDY-011でも、全13研究をまとめた結果は、

  • crude OR:1.10、95%CI 0.92-1.32
  • adjusted OR:0.82、95%CI 0.70-0.96

と、調整前後で結論が異なっています。【STUDY-011】

さらに最近のコホート研究だけを見ると、

  • crude RR:1.59、95%CI 1.16-2.18
  • adjusted RR:1.04、95%CI 0.93-1.17

でした。

STUDY-012では全14研究の統合ORが0.98、95%CI 0.77-1.24で、全体として有意な関連は確認されませんでした。【STUDY-012】

地域住民ベースの症例対照研究に限るとOR 0.68、95%CI 0.49-0.92でしたが、研究デザインによって結果が変わっています。

なぜ研究によって結果が違うのか

今回の材料から確認できる違いはいくつかあります。

1. 男女で結果が違う

STUDY-002、STUDY-005、STUDY-007などでは、女性に限定してリスク低下方向の結果が報告されています。

一方、JACC Studyでは男女とも明確な関連はありませんでした。

今回の材料だけでは、この性差が生じる理由を確定できません。

2. 胃がんの部位が違う

STUDY-002やSTUDY-007では、特に遠位胃がんでリスク低下との関連が報告されています。

一方、近位胃がんでは明確な関連が確認されていません。

そのため、「胃がん」という一つのカテゴリーだけで結果をまとめると、違いが見えにくくなる可能性があります。

3. 緑茶への曝露の測り方が違う

多くの研究は質問票を使い、1日に何杯飲むかを自己申告しています。

一方、

  • STUDY-005:血漿中カテキン
  • STUDY-006:尿中カテキン

を実測しています。

「何杯飲んだか」と「体内で測定されたカテキン濃度」は同じ指標ではありません。

4. 研究デザインによって結果が違う

STUDY-010では、

  • コホート研究:有意差なし
  • 症例対照研究:低下との関連

という違いがありました。

STUDY-012でも、全研究をまとめると関連なしでしたが、地域住民ベース症例対照研究だけでは低下との関連がみられました。

5. crude値とadjusted値で結果が変わる

STUDY-011では、調整前のcrude値と調整後のadjusted値で方向性が異なっています。

したがって、単一の統合値だけを取り出して「緑茶は有効」と判断することはできません。

6. 同じデータが重複している可能性がある

STUDY-007とSTUDY-008では、女性のHR 0.79、95%CI 0.65-0.96という数値が完全に一致しています。

STUDY-008はSTUDY-007の結果を引用している可能性が高く、独立した2つの証拠とは扱えません。

実生活ではどう考えればよい?

今回の研究群から言えるのは、

緑茶と胃がんリスクの間に、一定の条件では低下との関連が報告されているものの、その関係は一貫していない

というところまでです。

特に、

  • 女性
  • 遠位胃がん
  • 血漿・尿中の特定カテキン濃度

では低リスクとの関連が報告されています。

しかし、大規模で全文確認済みのJACC Studyでは、男女とも胃がん罹患・死亡との明確な関連はありませんでした。

したがって、今回の材料だけを根拠として、胃がん予防を目的に緑茶の摂取量を増やすことを推奨することはできません。

がん予防全体ではどう位置づければよい?

今回提供された材料は「緑茶と胃がん」の研究に限定されています。

他の食事、生活習慣、検査、予防方法などとの比較データは含まれていません。

そのため、

  • 緑茶が他の予防方法より重要か
  • 胃がん予防の中で何番目に重要か
  • 他の生活習慣と比較すると効果がどの程度か

といった位置づけは、今回の材料だけでは判断できません。

研究の一覧

研究 種類 人数 がん種 結果 主な限界 全文確認
宮城コホート (STUDY-001) 2001 前向きコホート研究 26,311 胃がん罹患 RR 1.2(95%CI 0.9-1.6、5杯以上/日 vs <1杯/日) 全体として明確な関連は確認されなかった 全文未確認
JPHC Study (STUDY-002) 2004 前向きコホート研究 72,943 胃がん罹患(部位別) RR 0.51(95%CI 0.30-0.86、女性・遠位胃がん・5杯以上/日) 女性の遠位胃がんに限った結果。男性・上部胃がんでは関連なし。全文未確認のため調整変数の詳細不明 全文未確認
JACC Study・胃がん死亡 (STUDY-003) 2002 前向きコホート研究 72,851 胃がん死亡 RR 1.0(95%CI 0.5-2.0、男性10杯以上/日)/ RR 0.8(95%CI 0.3-2.1、女性10杯以上/日) STUDY-004と同一コホートのため独立2件として単純加算不可 全文確認
JACC Study・胃がん罹患 (STUDY-004) 2020 前向きコホート研究 63,848 胃がん罹患 HR 1.05(95%CI 0.83-1.33、男)/ HR 0.82(95%CI 0.60-1.12、女) STUDY-003と同一コホートのため独立2件として単純加算不可 全文確認
血漿カテキン ネスト症例対照 (STUDY-005) 2008 ネスト症例対照研究 988(症例494+対照494) 胃がん罹患 OR 0.25(95%CI 0.08-0.73、女性・ECG最高群) 摂取量ではなく血漿中濃度を測定した研究。男性ではEGC高値がリスク上昇方向。全文未確認 全文未確認
上海コホート 尿中カテキン (STUDY-006) 2002 ネスト症例対照研究 18,244 胃がん罹患 OR 0.52(95%CI 0.28-0.97、尿中EGC陽性 vs 陰性) 対象は男性のみ。全文未確認 全文未確認
日本6コホートプール解析 (STUDY-007) 2009 プール解析 219,080 胃がん罹患(部位別) HR 0.79(95%CI 0.65-0.96、女性5杯以上/日)/ HR 0.70(95%CI 0.50-0.96、女性・遠位胃がん) 既存6コホートの統合。元コホート内訳を全文で確認できず、STUDY-001・002・003等との重複可能性あり 全文未確認
日本人限定SR (STUDY-008) 2012 システマティックレビュー 記載なし 胃がん罹患 HR 0.79(95%CI 0.65-0.96、女性・コホート6件プール、5杯以上/日) STUDY-007と数値が完全一致しており独立した確証として二重計上できない 全文未確認
※STUDY-009(参考文献のみ・根拠不使用) 2003 プール解析(短報・詳細不明) 記載なし 胃がん罹患(推定) 記載なし 抄録自体が存在せず、医学的主張の根拠として使用していない 全文未確認(抄録なし)
国際SR・用量反応メタ解析 (STUDY-010) 2017 システマティックレビュー・用量反応メタ解析 記載なし 胃がん罹患 RR 1.05(95%CI 0.90-1.21、コホート)/ OR 0.84(95%CI 0.74-0.95、症例対照)/ RR 7.60(95%CI 1.67-34.60、高温摂取) 研究デザイン・用量・高温摂取で結果が異なる。全文未確認 全文未確認
国際メタ解析 (STUDY-011) 2009 メタ解析 記載なし 胃がん罹患 adjusted OR 0.82(95%CI 0.70-0.96)/ crude OR 1.10(95%CI 0.92-1.32) 調整前後で結論が変化する。全文未確認 全文未確認
国際メタ解析 (STUDY-012) 2008 メタ解析 140,129 胃がん罹患 OR 0.98(95%CI 0.77-1.24、全14研究)/ OR 0.68(95%CI 0.49-0.92、地域住民ベース症例対照) 全体では関連なし。研究デザイン別で結果が異なる。全文未確認 全文未確認
女性限定再解析 (STUDY-013) 2021 再解析(Correspondence) 記載なし 胃がん罹患 sRR 0.93(95%CI 0.83-1.03) 原著メタ解析ではなく既存データの部分集合を再計算した書簡。95%CIは1をまたぎ非有意 全文確認

よくある質問

Q1. 緑茶はどのくらい飲めばよいのか? A. 今回の研究だけから、胃がん予防のための最適な緑茶摂取量を決めることはできません。研究では、5杯以上/日、6杯/日、10杯以上/日などのカテゴリーや解析がありますが、その結果は一致していません。たとえばJPHC Studyや日本6コホートのプール解析では、女性の5杯以上/日でリスク低下との関連が報告されている一方、JACC Studyでは多量摂取でも男女とも明確な関連はありませんでした。「胃辺予防のために1日5杯飲むべき」「6杯飲めば予防できる」といった推奨は、この材料からは作れません。研究上の摂取カテゴリーと、実生活での推奨量は別のものです。

Q2. 熱すぎる緑茶を飲むと胃がんリスクは上がるのか? A. STUDY-010では、高温で緑茶を摂取することについてRR 7.60、95%CI 1.67-34.60というリスク上昇との関連が報告されています。ただし、この研究は全文を確認できておらず、今回の材料には「高温」が具体的に何℃を意味するのかなど、詳細な条件は記載されていません。「○℃以上なら危険」といった数値を今回の材料から示すことはできません。この結果については、あくまで「高温での緑茶摂取と胃がんリスク上昇との関連を報告した解析がある」という範囲にとどめる必要があります。

Q3. 女性だけに絞ると結果は違うのか? A. 女性でリスク低下方向の結果が複数報告されていることは、今回の研究群で繰り返しみられる特徴ですが、これも確定的ではありません。STUDY-013では、既存のCochraneシステマティックレビューに含まれたコホートのうち、胃がん死亡を扱った3件を除外し、胃がん発生を扱った4コホートだけを女性に限定して再計算した結果、sRR 0.93、95%CI 0.83-1.03でした。低下方向ではあるものの、95%CIは1をまたいでおり、統計的に有意ではありません。また、この研究は新しい参加者や症例を追加した原著研究ではなく、既存データの部分集合を再計算した短い書簡です。

Q4. 研究で報告されている相対リスクは、実際に何人減ることを意味するのか? A. 今回の研究ではRR、HR、ORなどの相対的な効果量が報告されていますが、同じ条件で比較可能な絶対リスクのデータは今回の材料にはありません。そのため、「1,000人が緑茶を飲むと胃がんが何人減る」といった絶対数への換算は行いません。必要なデータがない状態で推測すると、研究結果を実際以上に大きく見せる可能性があるためです。

参考文献

独立研究

  1. STUDY-001. Green tea and the risk of gastric cancer in Japan. 2001. PMID 11228277
  2. STUDY-002. Green tea consumption and subsequent risk of gastric cancer by subsite: the JPHC Study. 2004. PMID 15286468
  3. STUDY-003. A prospective study of stomach cancer death in relation to green tea consumption in Japan. 2002. PMID 12177800
  4. STUDY-004. Association of tea consumption and the risk of gastric cancer in Japanese adults: the Japan Collaborative Cohort Study. 2020. PMID 33028558
  5. STUDY-005. Plasma tea polyphenols and gastric cancer risk: a case-control study nested in a large population-based prospective study in Japan. 2008. PMID 18268118
  6. STUDY-006. Urinary tea polyphenols in relation to gastric and esophageal cancers: a prospective study of men in Shanghai, China. 2002. PMID 12189193

二次解析

  1. STUDY-007. Green tea consumption and gastric cancer in Japanese: a pooled analysis of six cohort studies. 2009. PMID 19505880
  2. STUDY-008. Green tea consumption and gastric cancer risk: an evaluation based on a systematic review of epidemiologic evidence among the Japanese population. 2012. PMID 22371426
  3. STUDY-009. No association between green tea and the risk of gastric cancer: pooled analysis of two prospective studies in Japan. 2003. PMID 12750246
  4. STUDY-010. Association between green tea intake and risk of gastric cancer: a systematic review and dose-response meta-analysis of observational studies. 2017. PMID 28980522
  5. STUDY-011. Green tea consumption and risk of stomach cancer: a meta-analysis of epidemiologic studies. 2009. PMID 18973231
  6. STUDY-012. Green tea and gastric cancer risk: meta-analysis of epidemiologic studies. 2008. PMID 18364341
  7. STUDY-013. Green Tea Consumption and Stomach Cancer Risk in Women: A Meta-analysis of Population-Based Cohort Studies. 2021. PMID 32911881

※STUDY-009は抄録自体が存在しないため、本文の医学的な根拠としては使用していません(13件中1件は抄録なし、というEvidence coverage上の制約にのみ反映しています)。

この記事の作り方

執筆: エビデンス食堂 編集部 確認体制: 専門家(医師・研究者)による確認: 未実施/事実確認: 実施済み/平易化の編集: 実施済み 最終論文検索日: 2026-09-16 最終更新日: 2026-09-16

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